
街中で「貴金属の買取」とありますが、貴金属とはどういう意味でしょうか。
金や銀、プラチナは貴金属とわかりますが、ほかにはどんなものがあるか知っていますか?
調べてみると意外と知らない点がたくさんあります。
貴金属といわれるものについて詳しくみていきましょう。
目次
貴金属の意味って
一般的には、金、銀、プラチナなどの貴重で高価な金属のことです。
ただし、化学的には、金、銀、白金(プラチナ)、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、イリジウム、の8つの元素をさします。
金、銀以外の6つの元素は、白金族でプラチナの仲間です。
金、銀、プラチナは、ジュエリーの主材料になります。
ルテニウム、パラジウム、イリジウムは、主材料に割り金(わりがね)として配合され、ジュエリーの素材になります。
ロジウムはメッキの材料になります。
貴金属の種類ってどんなものがあるの?
純度100パーセントの金、銀、プラチナは、柔らかくて加工に適しません。
強度を増したり、違う色の風合いにするために別の金属(割り金)が混ぜられます。
それによっていくつかの種類ができます。
金
(割り金・・・銀、銅、パラジウム、ニッケル、亜鉛など)
イエローゴールド
ホワイトゴールド(プラチナに似た色調)
ピンクゴールド
グリーンゴールド
ブラックゴールド など
どれが価値が高いかというと、ジュエリーならば、価値はそのデザイン・ブランドによって決まります。
量がジュエリー程度なら、金属としての価値には大差ありません。
銀
(割り金・・・銅、パラジウムなど)
スターリングシルバー シルバー925 やや黒っぽい
多くのシルバーアクセサリー
ブルタニア シルバー950 ハンドメイド作品の素材など
コインシルバー シルバー900が使用された古いコインを溶かしたもの
ジャーマンシルバーシルバー800 筆記具やカトラリー(ナイフ、フォークなど)
その他、混ぜる金属によって色味を変えた、ピンクシルバー、プラチナシルバー、グリーンシルバーなど。
多くのシルバーアクセサリーは、高度も重さも適度なシルバー925です。
プラチナ
(割り金・・・パラジウム、ルテニウム、イリジウム、銅、コバルトなど)
ハードプラチナ 硬化剤として他の金属を加えたもの
ブランドによってハードプラチナの定義は違うようです。
同じ純度のものでも、ハードプラチナと、そうでないものにわかれます。
貴金属についている刻印の意味は?
含有率(がんゆうりつ:どのくらい含まれるか)を表します。
例えば“K18”は、金の含有率は75パーセントで、残り25パーセントは割り金です。
形状によっては打刻が難しいものもあり、刻印がないものは偽物、ということにはなりません。
金の含有率
“K24”純金
“K18”“750”75パーセント ジュエリーに使われます。
など
“K”は「Karat(カラット)」の頭文字で、金の純度を24分率で表した単位です。
宝石の大きさを表す「Carat」とは違います。
“GP”“GF”などは、それぞれ、メッキ、金張りメッキを表し、金としての価値はありません。
銀の含有率
“silver1000”99.9パーセント以上 純銀
“silver950”95パーセント 柔らかくて加工しやすいのでハンドメイド用に
“silver925” “SV925”“STERLING” 92.5パーセント ジュエリーに使われる
“silver900”“SV900”“COIN” 90パーセント
“silver” 純度明記なし
など
“SILVER PLATED”や“SP”はメッキをのことですので気をつけてください。
また、“NICKEL SILVER”はニッケルと亜鉛で作られた乳白色の合金です。
プラチナ
“Pt1000” 100パーセント(正確には約99.9%)
“Pt950” 95パーセント ジュエリーに使われます。
“Pt900” 90パーセント ジュエリーに使われます。
“Pt850” 85パーセント
など
“Pt100”は、プラチナがごくわずかしか含まれていないか、まったくプラチナではないものです。
“Pm”は、“Pt”より古い刻印で、信頼できない場合があります。
貴金属と卑金属の違とは?
卑金属は、貴金属の対義語です。
つまり、貴金属以外のすべての金属を卑金属といいます。
貴金属が、化学的に安定していて腐食や錆に強い金属であるのに対し、卑金属は、化学的に活性が高い金属です。
また、貴金属の産出量が少なくて希少価値があるのに対し、卑金属は大量に産出されます。
卑金属を人工的に貴金属に変える技術を錬金術(れんきんじゅつ)といい、古(いにしえ)の人々の盛んな研究は近代化学の基礎へとつながりました。
貴金属の比重はどれが重い
比重とは、4℃の水の密度「1」を基準とした比で、金属の鑑定にも使われます。
比重を測る比重計があれば、刻印がないものでも判別することができるので、貴金属買取のお店には必ず置いてあります。
金の比重はおよそ19.3で、鉄の2.5倍ほどもあります。
「金の延べ棒」は重いのです。
銀は約10.5、プラチナは金よりも重く、約21.5です。
割り金が、金、銀、プラチナよりも比重が軽ければ、純度が高いほど比重が重くなります。
一般的に貴金属と言われるものは、金、銀、プラチナです。
金、銀、プラチナともに純度100パーセントのものは柔らかくてそのままではジュエリーなどへの加工ができません。
強度を増して加工しやすくしたり、色味を変えるために混ぜられる割り金の割合によって、いろいろな種類があります。
刻印は、その金属の純度、つまり含有率を表します。
また比重が重いほど、純度100パーセントに近くなります。
ジュエリーの価値は、素材だけでなく、そのデザインとのコンビネーションで決まります。
素材とその特性を知ったうえで改めてデザインを見直すと、新たな思いが生まれるかもしれませんね。