念書と覚書の違いがわからない!効力があるのはどっち?

念書や覚書といった文書があることは分かりますが、意味合いや違いってどうかわからないことがありますよね。

違いを知らないと、思わぬところでトラブルを招く時があります。

そうならないためにも、違いを知っておくことで自分を守ることができます。

ここでは、念書と覚書の違いや誓約書を含めた使い分けのポイントをお伝えします。

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念書と覚書、誓約書の意味とは!使い分けのポイントは?

社会人ともなれば、一度は念書または誓約書を書いたり、署名捺印したことがあるのではないでしょうか。

でもその意味や内容をよく理解しないまま提出していたこともあるでしょう。

念書、覚書、誓約書はビジネスマナーの中でもとても重要な文書ですので、きちんと理解しておきましょう。

まずは念書、覚書、誓約書の意味や使い分けのポイントを説明します。

念書の意味、誓約書との違いは?

念書は二者間の合意で、一方の当事者が署名捺印するものです。

例えば、会社を無断欠勤したり、遅刻を頻繁に繰り返したりすると、「二度と無断欠勤や遅刻をしません。今後起こしたらいかなる処分も受けます。」という旨の念書を書かされるでしょう。

また、浮気をした人に「もう二度と浮気はしません」と念書を書かせる場合もあります。

借金をなかなか返済しない人が「〇〇までには必ず返済します」旨の念書を書く場合もあるでしょう。

したがって念書は、一方の当事者が何らかのトラブルを起こしたり、約束したことを守らなかったりした時に、もう一方の当事者に対してその事実を認め約束を守るといった内容が書かれた文書になります。

同じような文書に誓約書があります。

誓約書も二者間の合意ですが、一方の当事者が相手に対して一方的に約束事を守らせるといったものです。

例えば会社に対して、「機密情報は口外しません」とか「個人情報やパソコン内のデータは社外に持ち出しません」といった内容の文書になります。

念書も誓約書も二者間の合意でありながら、当事者一方だけの署名捺印となります。

覚書の意味や使い方は?

それに反して、覚書は二者間の合意ですが、当事者双方の署名捺印が必要となります。

覚書とはその前段に契約書があり、契約内容の変更や追加項目が生じた時に当事者双方で交わすものなのです。

また、本契約を結ぶ前に、こういった契約をいつまでに締結しましょうといった内容の覚書もありますし、契約書を結ぶまでもないような約束事であれば、覚書ですませる場合もあります。

したがって、当事者双方がきちんと話し合いを行って、覚書の内容を理解することが大切です。

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念書や覚書の書き方はどうすればいいの?

念書や覚書と言った文書は、しょっちゅう書くようなものではありません。

書き方がよくわからないというときのために、ここでは念書と覚書の書き方について紹介します。

念書の書き方について

念書だからといって手書きにする必要はありません。
パソコンで作成しても構いませんが、何かあったときに証拠書類となるので、ご自身の住所氏名は手書きにして下さい。

基準となる書き方はないので、自由に書いても良いのですが次のように書くと良いでしょう。

・まず、文頭中央に「念書」と書きます。
・約束を遂行する人の名前
・トラブルや約束を守らなかったことの事実
・今後守るべき約束の内容
・念書を作成した日付
・約束をした人の住所氏名(手書きの上捺印する)

この内容をA4用紙1枚にまとめておけばいいでしょう。

覚書の書き方

覚書は契約書の補足や変更に伴うものなので、書き方も契約書のような少し硬苦しい書き方になりますが、ポイントさえ抑えておけば大丈夫です。

例として次のような書き方を紹介します。

(例文)

平成○○年○月○日締結の○○○契約書の一部変更に関する覚書(中央揃え)

○○○(以下、甲と呼ぶ。)と○○○(以下乙と呼ぶ。)は、平成○○年○月○日締結の○○○契約書の第○条について、双方同意の上、下記のとおり変更することとし、覚書を作成するとともに、甲乙双方が一部ずつ保管するものとする。

記(中央揃え)
(合意した内容を記載する。)
以上

令和○年○月○日
甲 住所、氏名______印
乙 住所、氏名______印

覚書はほとんどの場合、収入印紙を貼付するので、覚書の左上に印紙を貼るスペースを開けておきましょう。

念書や覚書どちらの方が法的な効力があるの

念書や覚書について法的な拘束力があるのかということですが、次のような解釈になります。

念書の場合は、法的拘束力はありません。

しかし法的拘束力がないので、念書で書かれた約束事を守らなくても良いということにもならないのです。

もう一方の当事者が裁判等で争うようなことになれば、念書に書いてあることが無効でない限り、その念書が証拠とされることが多いのです。
証拠として採用されたのであれば、その念書は法的拘束力があるといえるでしょう。

覚書の場合は基本的に法的拘束力を有します

日付が書いていない、押印されていない、収入印紙が貼っていないといいった場合は、無効となる可能性がありますので注意しましょう。

覚書とはいえ、契約書の一部という意味を持つ文書なので、個人の判断ではなく社内で十分検討した上で締結するようにしましょう。


念書と覚書の違いやその法的拘束力などについては、理解できたでしょうか。
念書の内容をよく把握しないまま署名捺印していませんか?
覚書の中身をよく理解しないまま処理していませんか?

簡単に考えていると、あとでトラブルになるかもしれません。
念書や覚書を書くときも作成するときも、その内容を十分理解した上で処理するように心がけましょう。

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