鏡餅を玄関に飾る?置き場所はどこがいいの

お正月の支度に欠かせない鏡餅、玄関に置いてもよいのでしょうか。
床の間に置かれているイメージを持たれる方が多いと思いますが、床の間がないお宅も多いことでしょう。

そうすると、どこに置くのがよいのか、悩みますよね。

お正月に鏡餅を飾る意味も確かめながら、家のどこに置けばよいか、考えてみましょう。

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鏡餅を玄関に飾っていいの?

鏡餅を玄関に置いても大丈夫です。

お風呂場やトイレなどご不浄の場所はいけませんが、一番適当な場所はそれぞれのおうちでみんな違ってくると思います。
鏡餅は、歳神(としがみ)さまへのお供え物です。

各家に福をもたらしてくださる歳神さまの依代(よりしろ)になります。

つまり、鏡餅を置いたところが、歳神さまにいらしていただく場所なのです。

そうすると、家の中でも一番奥の格の高い場所にお供えする、ということになり、一般的には、床の間が一番ふさわしい場所といえるでしょう。
伝統的には、床の間などの家の中で一番大事な場所に大きな鏡餅をお供えし、仏壇や神棚、台所や玄関などに小さめの鏡餅をお供えしてきたようです。

だけど、現代のスペースの限られた住宅の中では、家族の集うリビングの棚の上、というお宅が多いのではないでしょうか。

歳神さまも、家族の顔が見える場所にいられることを喜ばれると思います。
家族がキッチンで過ごす時間が多いのであれば、キッチンでもよいでしょう。
お客様をお迎えする玄関が明るい空間であるなら、下駄箱の上であってもかまわないと思います。
企業などでも、エントランスの受付に鏡餅を置いてあったりしますよね。

どこにお供えするにしても、松の内のあいだ歳神様がいらっしゃる場所になるので、きちんと片付けて清めてから、お供えしてください。

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鏡餅を飾るのはいつから飾る?

12月13日が「正月事始め」といい、お正月の準備を始める日です。
この日から正月飾りも飾れます。

といっても、今ではスーパーで簡単に手に入る鏡餅も、ひと昔前までは各家で餅つきをして作るものでした。
ですから、餅つきの日が鏡餅をお供えする日になります。

では、餅つきの日は、いつなのでしょうか。
餅つきは、年末の29日と31日を避けて行われます。

29日は、「二重苦」あるいは「苦持ち」と言って避けられます。
(逆に「福餅」と言ってこの日を選ぶ場合もあります。)

また、大晦日にお正月の飾りをすることは「一夜飾り」といって縁起が悪いとされているので、31日も避けます。
歳神さまが大晦日の早朝に来られるという説もあり、そうすると31日にお餅をついていたのでは間に合わないですよね。

他の支度と同様に、28日までに鏡餅も飾りたいので、大掃除などを終わらせた28日を餅つきの日にすることが多かったようです。
あらかたの支度を済ませて、お正月の準備の総仕上げとして家族で餅つきをし、出来たてのおもちに餡子(あんこ)やきな粉をまぶしてもらうのが、私の子供のころの楽しみでした。

今は、稲作農家でなければお正月のお餅も買って済ませることが多いでしょう。
12月に入れば、鏡餅も店頭に並ぶようになります。

13日の正月事始めを迎えれば鏡餅を飾っても良いのですが、お正月の準備の締めくくりに、28日近くにお供えするのがよいのではないでしょうか。
縁起をかつぐのであれば、やはり二十八日が“末広がり”でいいのかもしれませんね。

 

鏡餅はいつまで飾ればいい?

鏡餅は、松の内が過ぎてから「鏡開き」の日に、無病息災を願ってお汁粉やお雑煮にしていただきます。

松の内は、一年の福をもたらしてくださる歳神様がいらっしゃる期間です。
松の内が終わればお正月のお飾りをはずします。

鏡餅は鏡開きの日までお供えし、当日の朝に、さげましょう。

鏡開きの日は、関東では1月11日関西では1月15日または20日であることが多いようです。
松の内が過ぎてから、鏡開きをするのですが、もともと関東でも関西と同じく松の内は1月15日までで、鏡開きは1月20日でした。

ところが、徳川3代将軍家光が1651年4月20日に亡くなられ、1月の月命日の鏡開きは都合が悪くなりました。
それで鏡開きを11日にするように幕府から通達が出されたのですが、歳神様がまだいらっしゃるうちに鏡開きをするのもおかしいので、松の内も7日まで、と変更されました。

この幕府からの通達が行き届かなかった関西では、松の内も鏡開きもそれまでのままになっている、ということです。

関東で松の内が7日までになったのには、別の説もあります。
江戸の大半が焼けてしまった「明暦の大火」(1657)の教訓から、火事の時に燃えやすいものがあると延焼の危険が心配されるので、正月飾りもいつまでも飾らずに7日には片付けるよう、幕府の御触れ(おふれ)があった、というものです。

松の内については、地方によって4日までだったりすることもありますが(仙台様の4日門松)、鏡開きはおおよそ、東日本では11日、西日本では15日か20日となっているようです。

 

飾った鏡餅はどうすればいい?

鏡餅は、「鏡開き」の日にお供えからさげて、無病息災を願って家族でいただきます。

「鏡餅」は、「三種の神器」のひとつ、「八咫鏡(やたのかがみ)」の形を模したものと言われています。
歳神様にお供えしたお餅は、割っていただきます。

包丁で切ることは切腹が連想されて良くないからです。
だけど、「割る」という言葉もまた縁起が良くないので、「開く」と言うのです。
「鏡」だから開くのですね。

日本人の言葉のセンスの良さが感じられます。
今の主流は、プラスチックの型に切り餅が入っている鏡餅だと思いますので、「開く」という感じがもてないのは少し残念なことかなと思います。
けれども本来の鏡餅ならば、鏡開きの頃には乾燥してとても硬くなっています。

飛び散らないように新聞紙などにくるんで、木づちなどで叩いて割り(開き)ますが、半日ほど水につけておくと、割りやすく(開きやすく)なります。

我が家では、鏡開きはお汁粉、と昔から決まっておりますが、お雑煮にしたり、焼餅にしたりと、おうちによっていろいろなようです。

 


 

 

歳神様の依処になる鏡餅の置き場所は、本来ならば、家の中で一番の上座(かみざ)である床の間です。
けれども、現代の住宅では必ずしも床の間があるとは限りません。

歳神様をお迎えする場所、という意識のもとであるならば、リビング、キッチン、玄関などに置いてもかまいません。
もともとそういう場所にも、小さめの鏡餅を置いていたのです。 

家族全員で大掃除をして家中を清めたあと、正月準備の総仕上げとして鏡餅をお供えしてください。
そして松の内のあいだを歳神さまに気持ちよくお過ごしいただき、鏡開きの日には、また家族全員で健康を願って鏡餅をいただきましょう。

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