ひしゃくと杓子の違いは何?ことわざについても解説

「柄杓(ひしゃく)」と、「杓子(しゃくし)」との違いを知っていますか?

イメージはぼんやりできるけど合っているかどうか自信がない!

杓子は以外にも私たちが日常的に使っている道具です。

ことわざに出てくるけど実際どういう意味なの?

と書いている途中で疑問も沸いたのでそのことも合わせて紹介します!

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ひしゃくと杓子の違いとは

ひしゃく(柄杓)…水や湯を汲む道具

しゃくし(杓子)…ご飯や汁物をすくって盛りつけたり、かき混ぜたりする道具

似たような用途ですが、形が違います。

 

ひしゃく


神社でお参りするときに手や口を水で清めるときに使うのは、ひしゃくです。
お茶のお点前でも、ひしゃくは重要なお道具のひとつです。

北斗七星の並びも、よく、ひしゃくの形に例えられますね。

 

しゃくし


しゃくしは、用途によって形が少し違います。
ご飯を盛ったり切り混ぜたりするときに使う飯杓子(めしじゃくし)は、板状のものに柄(え)がある形で、杓文字(しゃもじ)、へら、めしべら、などとよばれます。

汁物を盛るときに使う汁杓子(しるじゃくし)は、椀上のものに柄(え)がついているお玉杓子(おたまじゃくし)のことです。

カエルの子のオタマジャクシは、お玉杓子と形が似ていることからそう呼ばれています。
ホタテ貝などに柄をつけた、貝杓子(かいじゃくし)も汁杓子です。

 

杓子定規ってどういう意味

頑固で、応用や融通がきかない様子をあらわします。

そもそも、言葉通りにみると、曲がった形をしている「杓子」をまっすぐな定規(じょうぎ)の代わりに使ってものを測ろうとすることです。

間違った基準で物事を判断しようとする
 ↓
無理に道理を合わせる(一つの基準に無理やり合わせて判断する。)
 ↓
応用や融通がきかない様子。


何となく言葉は知っていても使いどころがわかっていませんでした。
しゃもじとものさしが何の関係があるの?って感じでした。

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猫も杓子も意味は何?

だれもかれもみんな、という意味です。

諸説ありますが、江戸時代の初めに刊行された『一休咄(はなし)』(1668)に

“生まれては 死ぬるなりけり おしなべて 釈迦(しゃか)も達磨(だるま)も 猫も杓子も”

とあるのが、最初の用例のようですが、解釈は諸説あって、ことわざの語源としては確立していません。  

その後、滝沢馬琴が『南総里見八犬伝』(1814~1842)のなかで“禰宜(ねぎ)も釈氏(しゃくし)も”という表現をしています。

「神主も釈迦も」という意味です。

このことから、『一休咄』では、本来「神道の信奉者も仏教徒もおしなべて」という意味で「禰子(ねこ)も釈子(しゃくし)も」であったのかもしれません。
それを、語呂遊びで「猫も杓子も」としたと考えると面白いですね。

もっと簡単に、「猫」も「杓子」も、その辺でよく見られるありふれたものの例えとして用いられている、との説もあります。

色々な説があり、昔の人たちは、ごろ合わせで遊んでたんですね!

 

「柄杓」のことわざはないの?

柄杓の使われることわざは見当たりませんが、古典的に私たちの日常のなかに息づいています。
安産の祈願に、「よく抜けるように」と、底抜け柄杓が使われます。

「ひしゃくをくれ」と言う舟幽霊に遭遇したときには、船が沈められないようにひしゃくの底を抜いて渡すという話もあります。

一方、杓子にはほかにもことわざがあります。
「杓子で腹を切る(しゃくしではらをきる)」
できるはずがないこと、形式だけのことをすること。

「杓子は耳搔きにならず(しゃくしはみみかきにならず)」
大きいものが、必ずしも小さいものの代わりにはならないことのたとえ

ひしゃくより杓子の方が、昔の人にはなじみがあったかもしれませんね。

 


 

 


「ひしゃく」と「杓子」、用途も形も少し違いますが、よく似ています。

一番違う点は、「杓子」がことわざに多く使われていることかもしれません。

「猫も杓子も」ということわざのおかげで、「杓子」は「とるに足らないもの」という印象があります。
だけど、両方とも、私たち日本人の暮らしになくてはならない大事な道具としてこれからも使われ続ける道具であることでしょう。

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