
ストーブが換気ブザーで止まるとき、どうしていますか?
ブザーで停止すると石油のにおいが部屋に充満してしまって気持ち悪くなってしまうこともありますよね。
では、頻ぱんにストーブが換気ブザーで止まってしまうのは、なぜなのでしょうか。
故障しているのか、それとも他に原因があるのか。
修理に出す前に自分でできることがあるなら対策をしたいところです。
今回は換気ブザーでストーブが止まってしまう時考えられる原因と、おうちで簡単に気をつけられる対策についてご紹介します。
目次
ストーブの換気ブザーが止まる原因は3つ
ストーブの中でも特に石油ファンヒーターは換気ブザーがついているものが一般的ですよね。
つけたのにすぐにエラーで消えてしまう、すぐにブザーが鳴って止まってしまう、という場合、主な原因は3つあります。
- ほこりがたまっている
- 換気が不十分で酸欠状態になっている
- シリコン汚れがたまってセンサーが誤作動している
それぞれの原因によって止まってしまいます。
それではなぜ止まってしまうのか、合わせて見ていきましょう。
ほこりがたまっている
石油ファンヒーターは部屋の空気を取り込み、中で気化した灯油を燃料にして熱を発生させる仕組みになっています。
燃焼させるのに空気を取り込むのですが、その際空気を取り込むフィルターにほこりが付着します。
あまりにもフィルターのほこりが多くなると外気を十分確保できずにエラーになってしまうのです。
換気が不十分で酸欠状態になっている
灯油を燃やすために外気から酸素を使います。
すると自然と部屋の中の酸素量はどんどん減っていきますよね。
換気をせずにストーブを使い続けていると酸素はどんどん減っていき、燃やすものがなくなるので不完全燃焼になってしまう場合があります。
そうなると一酸化炭素が発生したりして危険なので、ファンヒーターはそうなる前にブザーを鳴らして止まるように設計されています。
シリコン汚れがたまってセンサーが誤作動している
1.ほこりもたまっていない
2.換気もきちんとしている
という場合でもよく止まってしまうのであれば、シリコンの汚れがたまってセンサーが誤作動している可能性があります。
シリコンって何と思われるかもしれません。
シリコンとは珪素のことですが、平たく言えばコーティング剤の材料のことです。
・保湿クリーム
・洗濯物の柔軟剤
・家具などのつや出し剤
成分としてシリコンが含まれている場合が多く、それらの製品をファンヒーターと同時に使用すると、外気と一緒にシリコンがファンヒーター内に入り、それが内部に蓄積していきます。
すると、ファンヒーターの燃焼センサーを覆ってしまい、ファンヒーター内部で正常に燃焼しているかどうか判断するセンサーが感知することができなくなります。
感知することができなくなるとヒーターは正常に燃焼していても不完全燃焼していると判断してしまい、ファンヒーターが止まってしまうのです。
シリコンによる誤作動の場合修理に出さなければいけませんが、注意喚起しているにもかかわらずシリコンによる不具合が多発しているため、メーカーによっては無償修理の保証期間内であっても有償になる場合がありますので注意が必要です。
シリコン故障を除くと、ストーブの換気ブザーはほこりか換気不足が原因の場合がほとんどです。
とはいえ、あまりにも高い頻度でブザーが鳴る場合は置く場所が適切ではないのかもしれません。
それでは、ストーブは部屋のどこに設置するのが適切なのでしょうか?
ストーブ設置する場所はどこが良いの?
ストーブは部屋の窓の下や壁際に置くと効率よく使用することができます。
ファンヒーターは基本的に背面のファンから外気を取り込み、吹き出し部分から温風を出す構造になっていますよね。
背面ファン部分が窓や壁に向いていると窓や壁付近の冷えた空気を取り込み、あたためた風を部屋の中央に向けて吐き出す流れができるので効率よくなります。
ただし窓の付近であってもカーテンや布団などの燃えやすいものの近くや、棚付近のほこりのたまりやすい場所は火災やエラーの原因になるので避けるようにしましょう。
なぜ石油ファンヒーターの換気が必要なの?
石油ファンヒーターは内部で気化した灯油を燃料にしてガスバーナーのように炎を起こして燃やしています。
炎の燃焼には燃料の他に酸素を使用しますが、この酸素は外気を背面のファンから取り込むことによって供給しています。
燃やすと二酸化炭素が発生します。もちろん人間も酸素を吸って二酸化炭素を吐き出しているので、密封状態の屋内では酸素がどんどんなくなっていきます。
燃やす酸素がなくなると不完全燃焼になってしまったり消えてしまったりします。
そのまま消えてしまう場合は寒くなるだけなのですが、問題は不完全燃焼になった場合です。
不完全燃焼を起こしてしまうと、一酸化炭素が発生します。
一酸化炭素が空気中に増えると中毒になるおそれがあります。
大人は問題ない程度でも、乳幼児が使う部屋で不完全燃焼を起こすと乳幼児が体調不良になるケースもあり、大変危険です。
命を守るためにも、こまめな換気は忘れないようにしてください。
ストーブの止まる換気時間を長くする方法は
換気ブザーが鳴るたびに換気をしてストーブを点け直すのは手間ですよね。
消えるたびに部屋はガス臭くなってしまいますし、点火するまでの時間寒い状態で過ごさなければいけないのは苦痛です。
換気ブザーがなるべく鳴らないようにするには、事前に換気をこまめに行うのが最も効率の良い方法になります。
換気は屋内のドアを開けるなどではなく、外気を取り込みやすいよう窓を開けるほうが効果的です。
頻度は1時間に2,3回、1分から2分の間ファンヒーターをつけたままで換気をします。
部屋の中に十分な酸素が定期的に補給されていれば換気ブザーでファンヒーターが止まる頻度は格段に低くなります。
酸素が少なくなると人間も頭がぼーっとしてくるので、1,2分の換気であれば部屋を使っている人間も頭がすっきりして快適に過ごせるようになりますよ。
ぜひ試してみてください。
故障と見分ける方法は?
シリコン製品を同時使用した場合センサーが誤作動を起こしてしまい故障の原因になります。
それでは、ブザーの原因がシリコン汚れによる故障なのか、単なる換気やほこりによる不具合なのかを見分けるポイントはどこなのでしょう。
見分ける場所は2つ。
ファンの温風吹き出し部分と、ファンの内部の小窓から見える着火部分です。
ファンの吹き出し部分にほこりのように簡単に取ることが出来ない白い汚れがたまっている場合、シリコン汚れによる誤作動の可能性が高くなります。
また、小窓からはフレームロッドという着火部分のセンサーが見えます。
これは炎の中に電流を通して燃焼しているかどうかを感知する棒状のセンサーなのですが、シリコンが周りを覆うと真っ白になってしまいます。
シリコンがセンサーを覆ってしまうとシリコンが電気を通さないのでセンサーが不完全燃焼を起こしていると判断し、エラーで止まってしまうのです。
小窓からフレームロッドを確認して真っ白になっていた場合、換気では解決できない問題の可能性が高いので、修理に出すか点検に来てもらうことをおすすめします。
換気ブザーが鳴るのは煩わしいかと思いますが、ブザーが取り付けられた背景には不完全燃焼による一酸化炭素中毒の事故があります。
ストーブは火災の他にも命に関わる危険をはらんだ道具ということが今回の記事でわかっていただけたのではないでしょうか。
いわば換気ブザーは安全装置。
寒い日に窓を開けるのはどうしてもおっくうになってしまいますが、適切なタイミングで換気を行い、安全に石油ストーブを使用するようにしてください。