
「……え?ロタウイルスの予防接種。生後2ヵ月から?!」
「任意接種は受けるべき?」
母子手帳に記載された予防接種の欄を見て、慌てた人も多いのでは?
生まれて初めて受ける予防接種のひとつに、ロタがあります。
任意接種なので、受けるかどうかは親の判断。
とはいえ市町村で定められている定期接種だけでもかなりの数。
受けても受けなくてもいいと言われると、余計に迷いますね。
- 他のお子さんはどうしてるの?
- 本当に必要なワクチンなの?
- こんな小さい体に、同時接種なんて大丈夫?
- 副作用が怖い。
ママにとって、赤ちゃんの健康は一番の望み。
出来れば病気になんてかかってほしくないですよね。
任意接種のロタワクチンは、本当に必要な予防接種なのでしょうか?
ロタウイルスの予防接種は受けたほうが良いの?
- 病気の流行時期と、子供の月齢で考える。
- 兄弟の有無や、保育園に通っているかどうか。
- 金銭的な問題。
- 最終的には、親の気持ち次第。
実はロタウイルスの接種率は、それほど多くありません。
東京都の1歳半の時点での調査によると、接種率は33.4%。
ロタウイルスは毎年2~3月頃に流行します。
かかりやすく重症化するのは生後半年以内の赤ちゃん。
生まれた月から計算して、2月の時点で8~9ヵ月を越えているようなら、重症化しにくいと言われています。
生活環境によって、受けたほうがいいかどうかも違いますよ。
幼稚園や小学校に通う、お兄ちゃんやお姉ちゃんがいる場合。
0歳から保育園に通う予定の赤ちゃん。
この場合は、外からウイルスをもらってくる可能性が十分にあります。
逆に、一人っ子で生後半年間は、ほとんど家の中だけで過ごす赤ちゃんは、感染リスクが低いですよ。
親が手洗いうがいなどを徹底していれば、家庭内で大人の感染はまれです。
ロタワクチンは任意のワクチンなので、費用も安くはありません。
病院によっても金額は違います。
金額の例
・8000円×3回=24000円。
・12000円×2回=24000円。
接種回数×金額となりますが、合計で約24000~27000円程度ですよ。
金銭面の問題で、受けさせてあげたいけどあきらめるという選択肢も多いですね。
最終的には親の価値観に左右されるところが大きいです。
「どんな病気リスクもなるべく避けたい!予防できるものは予防したい」
「保育園に通う予定があるので受けさせたい」
「親の手洗いうがいや、殺菌消毒を徹底してるから、大丈夫」
「うちは家族全員、胃腸は強いから」
など様々な意見があります。
予防接種する時期は?
- 生後6週間から接種可能。
- 初回接種は生後2ヵ月がベスト。
- 期間が限られており、それを過ぎると接種できなくなる。
ワクチンとしては、生後6週間から接種可能です。
しかし他のワクチンとの同時接種を考えて、生後2ヵ月から始めるのが最適ですよ。
接種できる月齢に限りがあることも、このワクチンの大きな特徴です。
ワクチンの種類によって2回接種と、3回接種のものがあります。
一番流行して重症化しやすいウイルスを弱毒化したワクチンです。
4週間隔で2回接種します。
遅くとも生後14週6日(生後3か月半過ぎ)までに1回目を受け、生後24週(168日)までに接種を完了します。
生後24週(2歳児)以降は接種することができません。
どちらのワクチンも、注射ではなく、口から飲むタイプとなります。
・『ロタテック』[5価・3回接種]
流行して重症化しやすいウイルスを含む5種類のロタウイルスを弱毒化したワクチンです。
4週間隔で3回接種します。
遅くとも生後14週6日(生後3か月半過ぎ)までに1回目を受け、生後32週(224日)までに接種を完了します。
生後32週(2歳半)以降は接種することができません。
ワクチンの副作用ってあるの?
- ぐずり、下痢、鼻水、咳
- イチゴジャムのような血便が出たら、すぐに救急機関を受診。
まれにですが、副作用として『下痢』を起こすことがあります。
うちの子供の場合を紹介しますね。
普段は一日2回ほどのうんちでした。
ロタワクチン接種翌日から、やや白っぽい下痢が一日6~7回ほど。
量は少なめですが、二日くらい続きました。
かかりつけの小児科を受診し、下痢止めをもらいました。
ロタウイルスに感染しないために、予防接種を受けたのに、下痢をしていたら意味がないのでは?
その時は疑問に感じていたのですが、先生によると本当のロタならもっと症状がひどいとのこと。
ワクチンを接種しても、ロタウイルスを発症してしまうことはあります。
でもワクチンを接種していない場合と比べると、症状がかなり軽くなるようですね。
副作用の中で、最も注意しておくべき副作用は、腸重積です。
腸重積とは、腸が腸の中に入り込んでしまい、重なってしまう病気です。
腸重積が起こる原因は、よくわかっていません。
ロタワクチンを接種しなくても起こる場合もあります。
腸重積になった子供のほとんどが、ロタワクチンを接種後、7日以内に症状が現れたということです。
・普段と違う激しい泣き。
・何度も嘔吐する。
・お腹のはり。
・イチゴジャムのような血便
このような症状があれば、深夜でも救急医療を受診しましょう。
ただ副作用として発生する割合は、かなり低いですよ。
腸重積のリスクを心配して、ロタワクチンは受けないほうがいい、というほどではありません。
まれな副作用を心配して接種せず、ロタウイルスの感染でひどい目にあう確率のほうが高いでしょう。
また、生後2ヵ月以降は、ロタウイルスだけでなくいろいろなワクチンの接種スケジュールが過密です。
市町村が定める定期接種を最優先に、任意のワクチンを受けられるなら受けるという形になりますね。
必然的に同時接種になる可能性が高いですよ。
同時接種の安全性について心配な方も多いでしょう。
こんな小さな赤ちゃんに、1日2つも3つも?と不安になりますね。
ですが、世界の何億以上の子どもたちが受けてきているものです。
ロタウイルスってどういう病気
・冬から春にかけて流行する。
・嘔吐。
・白く水っぽい下痢。
・発熱。
重症化した場合は・・・
・脱水症状。
・腎不全。
・脳炎(脳症)
・痙攣 など。
最も特徴的な症状は、米のとぎ汁のような便。
色は白に近く、ほとんど水です。
よく似た胃腸症状で、ノロウイルスが有名ですね。
ノロと見分ける基準が白い便です。
白くて水っぽい便が出たら、ほぼ確実にロタウイルスを疑います。
赤ちゃんの場合、生後3ヵ月までは母親からもらった免疫力が働いてくれます。
感染しやすく、重症化しやすいピークは7ヵ月~15ヵ月の間。
5歳までの幼児のほぼ100%が、一度はロタに感染すると言われていますよ。
健康な大人が感染した場合は、軽い胸のむかつきや倦怠感のみで、自然治癒します。
自分がロタに感染していたことも気付かない人も多いですね。
それが赤ちゃんに感染すると、下痢症状や発熱などを起こします。
生後半年に満たない赤ちゃんの場合は、脳炎などの重篤な症状にも注意しなくてはいけませんよ。
さらにそこから高齢者や、免疫力の弱った大人に二次感染しやすいです。
風邪でもそうなんですが、なぜか赤ちゃんや幼児からもらった病気って、大人でもすごく重症化するんですよね。
子守りの手伝いに来たジィジ、バァバ。
出産後で免疫力の低下したママなどに、赤ちゃんから二次感染するケースが多いですよ。
かなりの量の水分を、下痢で失うことになるので、脱水症状に注意。
オムツ替え、トイレに行くたびに、こまめに水分補給しましょう。
赤ちゃんの場合は、普段より薄めに作ったミルクを与えてくださいね。
微熱、高熱の症状もあります。
元気があればあえて解熱剤は使わないほうが良いとされていますよ。
熱のせいで寝苦しい、ぐったりしてつらい場合には、処方された解熱剤を使いましょう。
結論。
ロタワクチンは、絶対に受けなきゃいけないほど重要なものではない。
でも出来れば、受けたほうがオススメというのが私の意見。
自分でトイレに行ける大きな子なら良いけど、赤ちゃんの下痢は親にとっても大変。
さっきオムツ替えしたばかりなのに、もう水っぽいウンチが・・・
何度も拭かれて、おしりも真っ赤にただれてしまいますよ。
ワクチンが開発されているということは、それなりの理由があるからです。
特に保育園に通う予定のあるお子さんなら、受けたほうが良いんじゃないかと思ってます。