ガソリンのレギュラー・ハイオク・軽油の違い!オクタン価とは?

セルフのガソリンスタンドには、レギュラー・ハイオク・軽油と3種類の油種があり、どのガソリンを入れたらいいか迷ったことはありませんか?
 また、レギュラー・ハイオクの違いは「オクタン価」で決まります。

オクタン価って聞き慣れないことばですが、違いを理解する上で重要なことです。
誤った知識で本来とは違う種類のガソリンを給油してしまうと、あとで大変なことになりかねません。

というのも、誤給油してしまうと車が動かなくなったり、最悪多額の修理費を負担するようなことになったら嫌ですよね。
ここではレギュラー・ハイオク・軽油の違いを分かりやすく説明していきます。

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ガソリンのレギュラー・ハイオク・軽油の違いは

 一番の違いは、引火点(火を近づけたときに燃える温度)と着火点(自然に発火する温度)の違いにあります。
ガソリン      
引火点   −35〜46度       
着火点   400〜500度 
     
軽油
引火点   45〜80度
着火点   300〜400度

ガソリン:火を近づけたら燃えやすく、自然発火しにくい
軽油:火を近づけても燃えにくく、自然発火しやすい


という特徴があるといえます。

その特徴を生かして、ガソリンにはガソリンエンジン、軽油にはディーゼルエンジンが用いられます。
ガソリンエンジンは、エンジン内でガソリンに点火し爆発を起こしてその力を動力とします。

一方ディーゼルエンジンは、エンジン内を高圧縮し軽油を自然発火させることで爆発を起こしその力を動力とします。
通常、普通乗用車や軽自動車にはガソリンエンジン、大きなパワーを必要とするバスやトラックなどの大型車にはディーゼルエンジンが搭載されているのです。

ガソリンと軽油ではその特徴から給油する車のエンジンに違いがありますので、誤給油には注意してください。

 

レギュラーとハイオクはどう違うの?

 一言で言うと「オクタン価」の違いです。
オクタン価については、このあと解説します。

ここでは、オクタン価が高いガソリンが「ハイオク」低いガソリンが「レギュラー」と覚えておいて下さい。
 ちなみに日本での基準は、ハイオクが96以上、レギュラーが89以上と定められています。

オクタン価の数字の意味ですが、ガソリンの成分の中で自然発火しにくい「イソオクタン」という成分があります。
簡単にいうと、この「イソオクタン」の含まれる割合(容積比)のことです。

 

オクタン価の高いハイオクが必要なの?

ガソリンは軽油に比べて自然発火しにくくなっています。
しかし、一定の温度まで上がれば自然発火するのです。

エンジン内でガソリンが自然発火すると、エンジンから「キンキン」「カンカン」といった異常音がしたり、異常な振動起こす「ノッキング」という現象が起きてくるのです。

ノッキングが起きれば、エンジン内で燃焼した動力がうまく伝わらなかったり、不完全燃焼を起こしたりして燃費が悪くなります。

また、ノッキングが続けば、エンジントラブルの原因ともなりかねません。
ノッキングを防ぐためには、よりガソリンが自然発火しないようにする必要があります。
そのためにオクタン価を高めるのです。

一言でいうと、オクタン価が高いハイオクはノッキングを起こしにくくするガソリンなのです。

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どういった車にハイオクを給油しなければならないの?

ハイオクを入れる車って高級車のイメージがあります。

5人乗りの普通乗用車や軽自動車などは、レギュラーのオクタン価でも通常はノッキングを起こすことはありません。
しかし、7~8人乗りの大型ワゴン車やスポーツタイプの車は、大きなパワーを必要とします。

大きなパワーを得るためには、エンジン内の圧力を高圧力にする必要があり、その結果エンジン内の温度が上昇し、ガソリンが自然発火してノッキングを起こします。
ですから、大型ワゴン車やスポーツタイプの車にハイオク専用車が多いのです。
なお、オクタン価を高めるためには、いろいろな添加物が加えられます。

また、燃焼したとき添加物の燃えカスなどがエンジン内に付着するので、それらを除去するための洗浄剤なども加えられます。
このような理由で、ハイオクはレギュラーに比べて、価格が10~15円/L 高いのです。

 

レギュラーガソリン車にハイオクを入れてもいいの?

レギュラーガソリン車にハイオクを給油しても、基本的には大丈夫です。
中には、「燃費が良くなった」とか「パワーが違う」とかいう人もいるようです。

しかし、熱量や熱効率が変わることはないので何ら変わりはないと思います。
価格も高いことから、レギュラーを給油したほうが無難でしょう。

逆にハイオク専用車にレギュラーを給油した場合ですが、ノッキングが起きやすくなるかもしれません。

一時的ならまだしも、継続的にレギュラーを給油することでエンジントラブルを招くこともあるでしょう。
最悪エンジンをオーバーホールすることになれば、費用も数十万かかりますので、レギュラーのほうが「安上がり」ということはしないほうがいいでしょう。

絶対にやってはいけないのが、ガソリンエンジン車に軽油を入れたり、その逆でディーゼルエンジン車にガソリン(レギュラー、ハイオクとも)を入れることです。

この場合給油前の燃料が残っていますので、多少の距離は動きますがやがて止まって動かなくなります。
そうなる前に、気づいたらすぐにガソリンスタンドが整備工場に駆け込み、タンクの中の燃料をすべて抜いてもらいましょう。
途中で車が止まったときは、JAFに連絡しましょう。
自分でやることもできますが、大変危険ですのでプロに依頼するほうが無難です。

 

エネオスや昭和シェルのハイオクの名前が違う!会社ごとに違いがあるの?

ガソリン販売会社は、ENEOS、昭和シェル石油、コスモ石油などいろいろとあります。
そして各社ハイオクガソリンには名前をつけてブランド化しています。
ハイオクガソリンの主なブランドには次のようなものがあります。

ENEOS: ヴィーゴ(現在は廃止して、改良したENEOSハイオクガソリンを販売)
(排ガス低減に力を入れヴィーゴは環境大臣賞受賞)
昭和シェル:Vパワー(バルブ内まで清浄している)
出光興産:スーパーゼアス(燃費向上に力を入れている)
コスモ石油:スーパーマグナム(エンジン内をクリーン保ち、継続給油を推奨)
※オクタン価は各社ともほぼ100で、基準値(96以上)をクリアしています。


レギュラーガソリンは各社同じものを販売していますが、ハイオクについては会社ごとに違うのです。
それは、オクタン価を上げるために混入する添加物、それと洗浄剤に違いがあります。

燃費を良くする、パワー(熱効率等)を重視する、エンジン内の洗浄に重点を置くもの等各社特色を出しています。

どの会社のハイオクがいいとは一概には言えません。
ご自分の車の特色や乗り方を考え、各社ハイオクの特色をサイトなどで調べて決められてはいかがでしょうか。

 


 

 

 
自分ではわかっているつもりでも、私自身セルフのガソリンスタンドで、レギュラーを給油しようとしてハイオクを選択し、給油する寸前のところで気がつき事なきをえたことがあります。
また、セルフ以外のスタンドにおいても人為的なミスにより誤給油することもあります。

給油後には必ずレシートや領収書を確認するようにしましょう。
そこには油種、リッターあたりの単価、給油量、総額が記載されています。

また、レンタカーを利用したり、友人・知人から車を借りるかたもいると思います。
返却するときは基本、燃料は満タン返しになります。

あらかじめ油種を確認しておきましょう。
友人・知人の方から借りるときにハイオク専用車だったら、いつも入れているハイオクガソリンのブランド名まで聞いておいたほうがいいかもしれません。

正しい知識を持っていれば、どの油種を入れるか迷うこともありませんし、誤給油も防げます。
それでは、今日も安全運転で!

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