見た目が可愛く、食べておいしい小玉スイカ。
育ててみたいと思いませんか?
「でも、庭や畑がなくて……」
と、いう方も大丈夫!
プランターを使えば、玄関先やベランダなどのスペースでも育てられますよ。
自分で作ったスイカなら、お店で買うよりも、きっと特別な味と思い出になりますよ!
お子様の夏休みの自由研究の下準備としても最適です。
スイカが育っていく様子を、スマホやデジカメで記録していくのも楽しそうですね。
園芸初心者でも気軽に楽しめる、小玉スイカ作りをお教えします!
目次
種まきからはじめる場合、3~4月。
まだ肌寒い気温のうちにまきましょう。
プランターの土に直接まく方法。
ポットで苗を育ててから、プランターに移植する方法があります。
どちらでも大丈夫ですよ。
しかし、この時期は発芽の条件となる気温の変化が不安定です。
防寒のためにホットキャップなどをかぶせて急な冷え込みに対処しましょう。
初めて栽培に挑戦する場合は、市販の苗を買うのがオススメですよ。
5月頃から、園芸店やホームセンターに、入荷されます。
良い苗は早く売れてしまい、元気のない苗が売れ残ってきます。
店員さんに入荷時期を聞いて、たくさんの中から選べる条件がベストですね。
7~8月が収穫時期となります。
小玉スイカの苗は品種や販売店によって価格に差があります。
全体的におよそ1ポット300~600円台が相場です。
スイカの葉や茎は、濃い緑色をしているものが元気ですよ。
緑色が薄かったり、黄色く変色しているものは、避けましょう。
環境の悪い場所で育てられたり、病気にかかっている苗の可能性があります。
節と節の間がよく締まっており、しっかりしたものを選びましょう。
ひょろひょろと伸びたものは、日当たりの悪い場所で育ったものかもしれません。
間延びしてしまった苗は元には戻らないので、選ばないように注意。
軽くゆすった時に株元がぐらぐらしていないかチェックです。
根がじゅうぶんに張っていないと、植えた後の成長にも影響しますよ。
しっかりと根が張った良い株を選びましょう。
植え付けに最もベストな大きさが、本葉3~4枚ほどの苗。
これより小さいともう少し苗をポットで育てる必要があります。
葉の数が多いと、育ちすぎています。
ポットの底穴から見える根が、白いものが良い苗ですよ。
茶色く変色した根は、根詰まりの状態で放置されていた可能性があります。
傷んでしまった根は、回復に時間がかかるので、避けましょう。
害虫には特に注意が必要ですよ!
新芽の部分や葉の裏などに、アブラムシやハダニがついていることがあります。
目に見えるものを駆除しても、体が小さく駆除しきれないものもいますよ。
買う前にしっかりと、新芽や葉をよく見て、害虫がいないものを選びましょうね。
ポットに水コケはついていませんか?
水はけの悪い環境で育てられた苗は、ポットにコケが生えている場合があります。
スイカは水はけの良い土を好みます。
加湿の状態だと、根が傷んだり、病気になってしまいます。
コケのないポットを選びましょう。
園芸店で直に自分の目でチェックするのも良いのですが、通販もオススメ。
タキイ、サカタ、楽天市場の通販で売られている苗は、便利で高品質なものが多いですよ。
レビューを見て評価の高いお店なら、苗の品質管理もしっかりしている所です。
プランターのサイズは上記のものがおススメです。
苗の植え方を見ていきましょう。
スイカは水はけの悪い土を嫌います。
プランターの底が隠れる程度に、必ず鉢底石を敷きましょう。
その上からスイカ専用培養土もしくは、野菜用培養土を入れます。
深さは縁から2~3cm下くらいですね。
本葉が4~5枚の時に植え付けをします。
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ポットから出す時に土や根が崩れないように、水を与えてよく湿らせてから出しましょう。
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プランターの用土に、根鉢がすっぽり入る程度の植え穴をあけます。
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植え穴にあらかじめ水をしみ込ませておきましょう。
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苗を植え付け土をかぶせましょう。
プランターの底から水が出てくるまで、たっぷりと水を与えます。
ポイントを押さえるとよりおいしい小玉スイカになりますよ!
プランター栽培は、地植えに比べて土が乾きやすいです。
土表面が乾いたら、プランターの排水溝から水が出てくるまで、たっぷり与えましょう。
スイカの実は水分がほとんどなので、生育には大量の水が必要です。
特に栽培終盤で水不足が続くと、実が割れる原因となるので注意ですよ。
スイカはウリ科の野菜なので、ツルが伸びます。
そこでツルを巻きつけるための支柱をたてます。
支柱の太さは11mm、長さは150cm。
これを4本用意しましょう。
しっかりしたものなら5,000円くらいのものもありますが、100円ショップでも買うことができますよ!
網目の大きいネットも張って、つるの生育を助けましょう。
栽培場所によって必要となるネットの大きさと価格は変わります。
いろいろと肥料はありますが、初心者にはコレひとつでOK!
住友化学園芸から出ている「マイガーデンベジフル(700g)」。
その他、固形の化成肥料がオススメです。
最初にたくさん肥料を入れると、つるボケという現象が起こります。
つるボケを起こすと、雌花が咲かなくなり受粉できません。
ようするに実が成りにくくなってしまいます。
受粉後、一つ目の実が結ばれたころに一回目の追肥。
果実が大きくなって、全体の成長が衰えてきたら二回目の追肥をしましょう。
つるが伸び始めてきたら、つるの先端を摘み取ります。
これを摘心と言うんですよ。
親つるを摘み取って、子つるの発生や成長を助けます。
摘心して子つるが伸びてきたら、生育の良いつるを4本だけ残します。
他の子つるは摘み取ってくださいね。
残した4本の子つるを、支柱やネットなどに巻き付くように誘導していきます。
これを整枝と言います。
確実に実をつけるために、人工授粉を行いましょう。
植え付けから約1ヵ月以上経つと、花が咲きます。
花の根元に小さな膨らみがあるのが雌花。
後の果実になる部分です。
花の根元に、膨らみがないものが雄花。
開花当日の雌花のめしべに、雄花の花粉を軽くこすり付けてくださいね。
なるべく早朝に行うのが良いですよ。
遅くとも朝9時までに行いましょう。
ベランダなどの狭いスペースで育てる場合、ネットを利用すると便利ですよ。
実が大きくなると、重くなってつるを傷めます。
せっかく実った果実が落下したらショックですよね。
なので実が大きくなってきたら、園芸店で販売している果実用ネットで吊るし保護しましょう。
50枚入りで500~700円程度です。
100円ショップで売っている洗濯用や、野菜干し用のネットなどでも代用できますよ。
実やつるの保護の他、病害虫予防にもなります。
<小見出し>果実について<小見出し>
実は、一株に2~3個までがベスト。
それ以上あったら、小さいうちに摘み取ってしまいましょう。
あまりたくさん実があると、大きさや甘みが劣ってしまいます。
さあ、いよいよ楽しみにしていた収穫ですね。
などの変化があれば、食べごろですよ。
小玉スイカは、初心者には収穫の時期がわかりにくいものです。
そして収穫した時点で成長が止まります。
収穫後の追熟はできません。
開花後40~45日ほどで、実は成熟しますよ。
なので、人工授粉した際、実に近い茎にラベルなどで日付を書き込むのもひとつの方法です。
スイカは連作障害や病気になりやすい植物です。
かかってしまうと薬剤でも治せないものが多いです。
病気にかかってから治すより、かからないよう予防しましょう。
予防法は、主にこの4つ!
これだけで、ほとんどの病気にかかりにくくなりますよ。
スイカの葉や茎に白い粉状のカビが生える病気です。
症状が進むと、カビがどんどん広がります。
光合成が出来なくなり、やがて弱って枯れてしまいます。
高温乾燥した日陰で起こりやすいです。
水はけの悪い土で育てると発生しやすいですよ。
肥料が多すぎる(窒素が多い)状態でなりやすいので、注意してください。
うどんこ病の菌自体は、土に潜んでいることが多いです。
発病してもごく初期であれば、白い粉状の斑点が出来た葉を摘み取って処分してください。
早期に発見すれば薬剤も使わず、収めることが出来ますよ。
葉の状態はこまめにチェックしましょう。
葉や実だけでなく、つるにも症状が出ることのある病気です。
まず葉に、淡い褐色の斑点が出るようになりますよ。
斑点が次第に大きくなり、色も暗褐色に変化します。
輪を重ねたような、輪紋状の病斑が特徴。
病斑部分が乾燥すると、破れやすくなるため、葉が穴だらけになることも……。
実にも、葉と同じような斑点や、くぼみ、ヤニなどが出ます。
乾燥してくると、実が避けて穴が開いてしまう結果に。
感染しても初期の頃であれば、症状の出ている部分を切り取るだけで治る事もあります。
被害が大きく、実にも症状が出てしまうと、治癒は難しくなります。
一度炭疽菌の被害にあった株や土は、汚染されています。
その場合は、被害株を抜いて土ごと焼却処分しましょう。
ウリ科の植物がかかりやすい病気です。
つるが割れてしまい、それが原因で水分や養分が摂れなくなり枯れます。
つる割れ病は、葉が萎える症状が出てから一気に進行します。
数日のうちに枯れるので、気づいた時には手遅れになっていることも。
そのため治癒が難しく、その年は栽培はあきらめましょう。
どちらも原因はカビですね。
土自体に5年もの間、菌が潜みます。
発病したら株を土ごと焼却処分が望ましいです。
アブラムシが原因となるウイルス性の病気です。
葉に不規則な濃淡のモザイク模様が現れます。
果実も通常と違い、ぐにゃぐにゃと柔らかくなります。
この病気にかかってしまうと、治癒はほぼ不可能です。
出来るだけ早く発見し、すぐに抜き取って処分しましょう。
キュウリモザイクウイルスは、スイカだけでなくいろいろな植物に感染しますよ。
株と苗は焼却処分してください。
手や農機具などにもウイルスがつくので、しっかりと洗って消毒してくださいね。
・アブラムシのついた苗を買わない。
・アブラムシを見つけたらすぐ駆除する。
などでウイルス感染予防が出来ます。
実がスカスカになりにくい。
変形やヒビ割れなどが少ない。
育てやすく、収穫量が多いのが特徴。
家庭菜園でも、簡単に作れる初心者向けの品種ですね。
果肉は赤く、糖度は約12度。
完熟すると、重さ約2kg前後。
小玉スイカの代表品種ですよ。
初心者でも収穫数が多く、育てやすいですよ。
舌触りのよさと、甘みが特徴の品種です。
果肉は赤く、糖度は約13度。
黄色い果肉が特徴の品種。
寒さや暑さにも強いですよ。
黄色いスイカ独特の、さっぱりした甘さがあります。
繊維が少なめで舌触りがよく、後味も良いですね。
糖度は約12度。
自根苗に比べ、接木苗は病気や虫に強いという特性があります。
初めてのスイカを育てるなら、接木苗がオススメですよ。
カボチャやユウガオを台木としたものは、ウリ科の病気に耐性が強いですね。
自分で接木する方法もありますが、初心者は市販されている接木苗を買うのがベスト。
初めての小玉スイカ作り、うまく出来たらうれしいですね。
野菜作りは、失敗や苦労も多く、最初はうまくいかないかもしれません。
でも、自分で育てたスイカを収穫して食べる時は、格別の甘さでしょう。
スイカにはデトックス効果や夏バテ予防効果があります。
甘くて水分たっぷりのスイカをたくさん食べて、暑い夏を乗り切りましょう!
NHKの園芸番組や、書店のコーナーでもよく取り上げられていますよ。
そちらもぜひ参考にしてくださいね。