お子さんが転んだらひざや腕に擦り傷を作ってしまった…。
砂が入ったりしたら大変ですよね。
誰もが一度は擦り傷を経験したことはあるかと思いますが、意外と正しい治し方は知らなかったりするものです。
たかが擦り傷でもちゃんと処置することが大事です。
やり方をまちがえると傷の治りがおそくなったり、逆に悪化することがあります。
私も子供の頃に大きな擦り傷を作ってしまった時に、処置をまちがえて傷の治りがおそくなってしまいました…。
おまけにきれいに治らず、今もちょっと痕が残っています。
たかが擦り傷、されど擦り傷。
今回は正しい処置の仕方をお教えします。
ぜひ参考にしてくださいね。
擦り傷の処置の仕方 砂が入っていたらどうすればいいの?
擦り傷に砂が入っているようならすぐに処置してあげましょう。
お子さんには酷ですが、完全に砂が落ちるまで水で洗い流すのが一番です。
時間がかかっても、お子さんが痛がってもちゃんときれいになるまでやりましょう。
そして砂を洗い流した後は…「消毒をしてはいけません」。
「えっ?!」と思われる人もいると思いますが、これも結構大事なんです。
汚れている傷は悪い菌がいますが、これは砂と一緒に水で洗い流せます。
しかし流した後にさらに消毒をしてしまうと、ケガを治してくれる菌や表面の細胞までも殺してしまいます。
水で洗い流した後は消毒せずに、そのまま傷パワーパッドなどを貼ってしまいましょう。
傷を清潔にするのは大事ですが、やり過ぎると逆にケガの治りが遅くなってしまうので注意してくださいね。
痛くても砂は取った方がいいの?
子供が痛がるから砂を無理に取りたくない…。
そう思っても、砂は取ってしまった方がいいです。
砂が入り込んだままだと傷に炎症が起こる原因になってしまいます。
加えて雑菌が入り込んでいる可能性が高いので可能な限り取ってしまうのが一番。
直接水道水をかけてしまう手もありますが、あまりに痛がるようなら水をふくませたガーゼなどで取る方法もあります。
お子さんが痛がってもそこはこらえましょう。
異物を入ったままにしてしまうと最悪感染症を起こして化膿してしまい、痛みが余計にひどくなる可能性があります。
また、砂を取る時に消毒はひかえましょう。
消毒は傷の治す菌まで殺してしまうので、かえって傷の治りをおそくしてしまいます。
汚れている傷をまず消毒液で洗う…のはやめたほうがいいでしょう。
どうしても、砂を取るのはできない場合は病院やクリニックを受診しましょう。
自分で取るのが難しい時はお医者さんに頼みましょう。
傷の具合や砂の入り方によっては念入りにブラッシングした方が良い場合もあります。
ブラッシングは麻酔を必要とする場合があります。
これを素人がやるのは難しいので、お医者さんの力を借りることをおすすめします。
傷口がジュクジュクしてる。きれいに取った方がいい?
擦り傷が出来た後、傷口に変な体液が出てきてジュクジュクしている時がありますよね。
気持ち悪いのできれいに取りたくなるかと思いますが、これは取らない方がいいです。
この体液、一見膿にも見えますが、実は傷口を治す成分が入っているものなんです。
これを取ってしまうと傷の回復をおくらせてしまいます。
おまけに傷痕が残る原因にもなりますので、むしろ体液はそのままにした方がいいのです。
私が子供のころはそれがわからず、大事な体液を取ってしまっていました。
結果、ケガがきれいに治らず、今もひざに痕がちょっと残っています…。
しかし、あまりにもたくさん出てきてしまっている場合や乾いてかさぶたのようになってしまっている場合は取ってしまっても大丈夫です。
それでも傷口から完全に体液を取らないようにしておきましょう。
擦り傷の痕が残ってしまうのはこの体液を取ってしまう治療を受けていることが多いです。
痕が残りにくい処置の仕方は?
お子さんに傷痕は残したくないですよね…。
そんな人には「湿潤療法」という処置がおすすめです。
これは人間の本来の自己治癒力を生かす方法で、素人でもやることができます。
やり方としてはまず傷口を洗い、砂などの異物をきれいに落とします。
この時消毒は絶対にしてはいけません。
傷を治してくれる菌や表皮の細胞を殺してしまうので、あくまで水で傷口を洗うだけにしておきましょう。
そして傷パワーパッドやバンドエイドなどガーゼのないばんそうこうを貼ってあげてください。
処置はこれだけで大丈夫です。
後は人間の自己治癒能力に任せれば自然と治っていきます。
傷口から出てくる体液が勝手に傷を治してくれるので、余計な消毒をする必要はありません。
傷パワーパッドやバンドエイドがなければラップを使う方法があります。
ワセリンなど消毒効果のない軟膏を塗ったラップで直接傷口を巻き、外れないようにばんそうこうで固定します。
そしてその上から包帯で巻いてしまえばOKです。
傷パワーパッドやバンドエイド、ラップは基本的に傷を治す体液が出ている限り貼りっぱなしにしておきましょう。
あまりに体液が多くて気持ち悪い時は貼り替えてしまっても大丈夫です。
また暑い時期はあせもが出来る原因になってしまうので、適度に貼り替えた方がいいでしょう。
傷口から体液が出なくなり、ピンク色がかったきれいな上皮ができてきたら、貼り付けているものは外してしまって大丈夫です。
ただし大きな擦り傷をしてしまった場合は上皮ができても3か月くらいは直射日光に当てない方がいいでしょう。
まだできたての皮膚なので刺激を与えるのはNGです。
湿潤療法の大事なポイントは「傷を乾燥させない」です。
従来のばんそうこうやガーゼだと傷を治すために出ている体液を吸い取ってしまい、傷口にかさぶたが出来やすくなってしまいます。
そのかさぶたがはがれることで、結局傷痕が残ってしまうのです。
また必要以上な消毒も厳禁です。
傷を治す菌や表皮の細胞も殺してしまいます。
特に粉末状の消毒薬はおすすめできません。
消毒してしまう上に水分を吸って乾燥させてしまいます。
私は粉末状の消毒薬を使っていましたが、体液を吸って傷が乾燥してしまい、しかもその体液を毎回きれいに取ってしまっていたので結局傷痕が残ってしまいました…。
自分でやるのは難しいと感じたならお医者さんにお願いするのも一つの手です。
今回の記事のポイントはこちら!
- 傷口は水で洗い流し、消毒はしない。
- 砂は取らないと感染症の原因になる。
- 傷口に出てくる体液は傷を治してくれるので取らない方がいい。
- 傷痕を残したくないなら湿潤療法がおすすめ。
「傷は子供の勲章」、みたいな考えが昔はありましたよね。
傷ができてもとりあえず赤チンを塗っておくか、とりあえずばんそうこうを貼り付けておけばそれでよかったり(笑)
傷痕が残ることも別に気にしない、みたいな風潮もありました。
しかし、きれいに、確実に傷が治せるならそれにこしたことはありません。
とりわけ女の子だったら傷痕が残ってしまうのはかわいそうです。
今回ご紹介した「湿潤療法」は素人でもできる治療法ではあります。
それでもお子さんの体のこともありますので、あまりに大きい傷の場合や素人で対処するのは難しいと感じた時はお医者さんと相談しましょう。
大切なお子さんがのびのびと遊んでいる時に何があってもいいように、正しい知識を身に付けておきましょう。